イジメから始まる物語
美希目線

キィィ…

屋上の扉を開けると、ギャルっぽい女子が十四、五人。

「あ、園田さぁん。遅ぉい」

猫なで声で喋る女子に内心イラつきながら怯えたフリをした。

「ご、ごめんなさい…」

「いいよぉ、それでぇ、話って何かわかるぅ?」

「ア、アタシ貴方達に何かしたっけ…」

とっとと喋れよ、鬱陶しいな。

「アンタ、蓮をフったんだって?」

蓮?あぁ、天野くん?

「え?そ、そうだけど」

「ムカつく。アンタごときが告られてフっていい相手じゃねぇんだよ」

めんどくさ。

「…」

「何?今更自分のした事に怖気付いちゃった?」

キャハハ、とムカつく笑い声。

「何勝手に決めちゃってんの」

「あ?なんつった今」

「何勝手に決めてんのって言ったんだよ。一回で聞けよブス」

「あ?」

「何アンタが決めてんの?アンタに関係無いじゃん。アンタごときが入ってくる問題じゃないんだよ。お節介。引っ込んでろ」

「はぁ?てめぇいい加減…「そーそ。キミタチが入って来ないでくれるー?」

「あ、蓮…」

「キミタチの本性見ーちゃった♪」

「れ、蓮!これは違…「違う?何が?俺、最初から見てたし。」

なら助けろよ!

「蓮…!ごめんなさい!」

「は?なんで俺に謝んの意味不

謝んなら園田に謝れよ。」

天野くんがそう言ったから渋々、という感じでギャル達はアタシを一瞬睨むと謝ろうとした。

「園田さん、ご…「謝んなくていいし。

嫌々謝られたってやだし。本気で反省したなら謝ってよ。

じゃ」

それだけ言うと屋上から出て行った。

言いたいこと言って逃げた感じになっちゃったかな?

まぁいっかな?

「いやー、園田なんかキャラ違うかったー!新鮮だわー」

「天野くん、今の内緒で」

「えー。じゃぁ、俺園田のことまだ好きでいてもいい?

いいならさっきのこと、内緒にする!」

「そーいう天野くんだってキャラなんか違う癖に。」

「元はこーいうキャラ!」

「いいよ。」

「好きでいても?」

「どーぞ、ご勝手に」

うん、なんて言うの恥ずかしいから。

それに、アタシの好きな人は…



成瀬くんだから。

残念ながら天野くんは叶わないよ。
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