執事くんはお嬢様に溺愛
ローラの身なりが整い終わると、メイドの女性は部屋を去っていった。
アッヒェンベルの待ち兼ねた瞬間だった。
「お嬢様!やっと二人きりに…っ!!!」
今にも飛び掛かりそうな勢いのアッヒェンベルを目力のみで止めるローラ。
ローラの鋭い視線を受け、ピタリと動きを止めるアッヒェンベル。
ローラがホッと息をついたのも束の間―…
「その瞳で見つめられては、私の心の臓までもが止まってしまいます!!」
この執事には、総てが逆効果のようだ。
「お嬢様の、そのインディゴの瞳に囚われたが最後!私はその瞳に吸い込まれてしまいます」
ローラの瞳は、染め物のような綺麗な藍色をしている。
くりっとした大きな目で、そのせいか17歳という実年齢より幼く見られがちだ。
身長もかなり小さく、それが余計に拍車をかけて彼女をより幼い容姿にしている。
長いふわふわとした金髪で、まるで金糸のような髪をしている。
肌は透き通るような白い肌をしており、それはまさに真珠の肌。
黙って座っている時は、当に人形のように見える。
「……はぁ」
口数の少なめなローラだが、一方で溜め息ばかりが増えていく。