執事くんはお嬢様に溺愛




「嗚呼!今にもお嬢様を閉じ込めてしまいそうです!!」


先程から危ない発言ばかりを繰り返すアッヒェンベルも、ローラと並んでも苦にならないくらいの美青年なのだが、残念な性格である。




屋敷の中には、コアなファンもいるようだがやはりこの性格が禍してか使用人の女性からは嫌煙されがちである。


しかし、黙っていれば只のイケメンの為、初対面の女性は誰しもが彼に目を奪われるであろう。


漆黒の髪を適度に伸ばし、使用人として派手すぎないスタイリングをしており、瞳はダークグレー。

186センチと高身長で、細すぎず程よい体格をしている。
もちろん、執事として日々鍛えている為、その燕尾服の下はさぞ逞しいのであろう。が着痩せするタイプなのか、まったくそれを感じさせない爽やかさ。



彼のローラに対する異常なまでの執着さえ知らなければ、引く手あまたの男性であるに違いない。






「…お前は、着替え中に入ってくるなと何度言えばわかるのだろうか」


「お嬢様!着替え中こそ危険なこともあるのです!だからこそ私がお側にいてお嬢様をお守りしなければ!」


「……一番の危険はお前だ」




今日とて、そうだったがアッヒェンベルは例え年頃となったお嬢様の着替え中だろうと入浴中であろうと、所構わずローラの側にいる。

もちろん今でも注意は何度もしているが、この執事、何せローラのこととなると、ローラの命令でさえ聞かない。

始めの頃こそ、羞恥で嫌がっていたローラだが、もう何を言っても聞かないと半分諦めてはいる。

だが、そこはやはり年頃の女の子。
せめて入浴中に突然やって来るのは何としても止めさせたいところ。



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