執事くんはお嬢様に溺愛




「目に入れても痛くないという言葉は、当にお嬢様の為にあるものとしか考えられません!」


「………」



また溜め息を溢しそうになったローラだったが、なんとか堪える。

溜め息をついてばかりいると、幸せが逃げるとはよくいったものだ。





「本日も一日、私がお嬢様のお側に仕え、お嬢様の為だけに私の全力をお注ぎ致します」



キラキラと効果音が入りそうなくらいの眩しい笑顔を浮かべながら、アッヒェンベルは今日も一日ローラの為だけに尽くせることを幸せに思うのだった。


そして、

ローラの前に膝まずき、彼女の手をとり、手の甲に忠誠のキスを落とす。

「本日もこのアッヒェンベル、お嬢様にだけ愛を尽くします」


顔をあげたアッヒェンベルは、ローラに向かって微笑む。




そんなアッヒェンベルの笑みを見ながら、心なしかほんのりと顔を朱くしながら、彼から目を離すローラ。




こうして、執事とお嬢様の一日が始まるのだった。



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