俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


早川さんが選んだ店は海辺のレストランで、夜風が心地よく吹くテラス席へと案内された。

「どうですか?ロマンチックでしょ?お兄ちゃんも、満足じゃない?」

満足そうな早川さんは、テンション高く辺りを見回している。

確かに、他のテーブルとの距離が程よくあり、落ち着いた雰囲気だ。

イルミネーション風に飾られた景色は、恋人同士にはピッタリだろうけど、今日のわたしたちにはまるで合っていない。

「そうだな、素敵だよ。まさか、亜矢がこんな店を知ってるとは思わなかった」

「でしょ?」

得意げに笑う早川さんと、それを笑顔で応える修司さん。

本当に仲のいい兄妹という印象だ。

だったらついでに、このまま二人で食事をしてくれたらいいのにと思ってしまう。

「それから高垣編集長、妹がお世話になりありがとうございます。仕事熱心なのが、返って空回りしてないか不安なんですが…」

修司さんの突然の振りに、編集長は小さな笑顔を浮かべた。

だけどそれが作り笑いだということくらい、わたしには分かる。

絵美さんの撮影以来、編集長はずっと不機嫌で、わたしにはほとんど口をきいてくれない。

だけど、早川さんとはシッカリ話をしているんだから頭にくる。
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