俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「これからどうする?うちへ来る?」
「えっ!?」
イヤだ、イヤだ。
絶対にイヤだ。
一人暮らしの男の人の部屋なんて、危険極まりない。
もちろん、これが編集長なら絶対について行くけど。
返答に戸惑っていると、編集長が苦笑いを向けた。
「それじゃあ、オレは邪魔みたいだから行くよ。平瀬、また明日な」
「あ…」
ロクに挨拶を返せないまま、編集長は足早に人混みへと消えていった。
行っちゃった…。
呆然とするわたしに、修司さんが優しく声をかけてくる。
「香乃子ちゃん、オレたちはどうする?」
「え?」
どうするって…。
わたしは…。
「さっきは、いきなり部屋に誘ってごめん。いくら何でも早すぎるよな。どこかで飲もうか?さっきはアルコールが無かったし」
「あの…」
笑顔で誘ってくれる修司さんに、ときめかない女子はいないと思う。
わたしだって、きっとときめいてたよ。
編集長と出会ってなければ…。
「ん?どうする?」
そんなの答えは決まってる。
「ごめんなさい!修司さん、わたしも仕事が残ってるんで、会社に戻ります」
「えっ?香乃子ちゃん!?」
背中に修司さんの呼ぶ声が聞こえるけど、それに応えることなく、猛ダッシュで会社に向かっていたのだった。