俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「でも、これって…」
明らかに早川さんのでしょ?
「いいんですよ。じゃあ、わたしはこれで」
立ち去ろうとする早川さんを、気付けば呼び止めていた。
「待って!早川さん」
わたしは今夜、亮平の側にいたい為だけにいた。
亮平は、本当に仕事をしているというのに…。
早川さんは、そんな亮平を気遣って差し入れを持って来てくれたんだよね?
「わたしは帰るところだったの。これは、早川さんが編集長と食べて」
なんて、自分勝手だったんだろう。
恥ずかしくなる。
「じゃあね、早川さん。そして編集長、お疲れ様でした」
会釈する早川さんを通り過ぎ、足早にオフィスを出る。
本当は、泣きたいところだけど我慢だ。
この後、二人はどんな会話をするんだろう。
それは気になるけど、やっぱりわたしがあの場へいてはいけない気がする。
「ゆうべは、夢を見ていただけなのかな…」
ため息をつきながらエレベーターを待っていると、
「平瀬!」
亮平が走ってやって来た。