俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
何で来たんだろう。
思わず身構えたわたしの手を取ると、何かを握らせた。
「何?」
手を広げると鍵がある。
「オレの部屋の鍵。スペア持ってないから、ちゃんと帰れよ」
「えっ!?鍵って?」
戸惑うわたしを尻目に、亮平は走って戻っていった。
「亮平の部屋の鍵…?」
じゃあ、部屋に行ってもいいってこと?
エレベーターがやってきて、乗り込みながらもまだ夢みたいだ。
冷たくしてみたり、部屋に帰れって命令してみたり…。
「どこまで俺様なんだか」
思わずクスリと笑いが出て、ようやく心のモヤモヤが取れていく気がする。
といっても、まだまだ油断は禁物だわ。
部屋に行けたからって、亮平との交際が揺るぎないものになったわけではないのだから。