俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
会議は、10人ほどで丸テーブルで行われる。
その中央にいろいろな資料を置き、ディベート感覚で行うのだ。
編集長が、社内で決まった報告事項や、司会進行はするけれど、自由に意見を主張出来るのがこの会議の良さでもあった。
「じゃあ、今日は企画を詰めるけど、前回上がったメイクアップの特集、これはオレのツテでやってもらえそうなんだ。やるか?」
編集長がペンを片手に、資料をパラパラめくりながら言った。
メイクアップの特集は、夏も近づくことだし、爽やかなメイクの記事を載せようと、前回半分決めた企画だ。
「編集長のツテですか?」
編集長の正面から、弥生は身を乗り出す様に質問をする。
わたしも隣で小さく頷いた。
確かに、編集長のツテって驚きだ。
要するに、化粧品メーカーの知り合いがいるってことでしょ?
それも、おそらく女性が…。
すると、編集長はサラッと答えたのだった。
「ああ。ハーティーって知ってるだろ?あそこの美容部員が、オレの知り合いでさ」
「知ってますよ!今人気のメーカーじゃないですか!?すごーい」
目を輝かせる弥生と、意外な編集長のツテにざわめく編集部。
そんな反応にも、編集長は顔色一つ変えない。
「そんなに驚くことか?」
その言葉に、先輩編集者がボソッと呟いたのだった。
「驚くよな。あんな俺様な編集長に、女の知り合いがいるんだから」