俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「おはようございまーす!あれ?平瀬さん早いですね?」
やって来たのは早川さんで、せわしなくパソコンを立ち上げたり、デスクから資料を取り出している。
危ない、危ない。
やっぱり、オフィスでキスなんて危険だわ。
それにしても、まだ動揺しているわたしとは違い、亮平は涼しい顔で仕事をしているんだから悔しい。
「あれ?平瀬さん、まだメールを見てないんですか?」
「えっ?」
そうだった。
まだ、まともに準備をしていないんだ。
「じゃあ、まだご存知ないんですね。ねえ、編集長。いいですよね?平瀬さんに口頭でお話しても」
「話?」
どこか楽しそうに、早川さんは亮平に目を向けた。
「ああ、別に構わないよ。じゃあ、オレから話そうか」
そう言って亮平は立ち上がると、手招きをしている。
「みんなが来るから、会議室で話そう。早川、電話が鳴ったら頼むな」
「分かりましたぁ」
早川さんてば妙に乗り気だけど、話って何だろう。
促されるまま会議室に入ると、亮平は真剣な顔を向けた。
「香乃子には、プロジェクトのメンバーになってもらいたいんだ」