俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


「まずは、電子書籍からスタートさせるプロジェクトだよ。小説やマンガじゃなく、情報誌を」

「情報誌の電子書籍?それって微妙。だって、見づらそうだもん。写真とか特に。だいいち、スマホとかで見るには難しいんじゃない?需要があるのかな?」

そう言うと、亮平は表情を明るくした。

「さすが香乃子だな。やっぱりメンバーに決めて正解だった」

「え?」

「実は、メンバー構成はオレと早川で決めたんだけど、早川が絶対に香乃子を入れたいって言ったんだよ。仕事熱心だからって」

「そうなんだ、嬉しい…」

と、口では言ってみたものの、早川さんが亮平の右腕みたいになってるのは面白くない。

もちろん、早川さんが親会社の人だからなのは分かってるけど…。

「これから、メンバーとの打ち合わせが増えるから、どんどん意見を出してくれたら有難いよ」

「うん、分かった。頑張るね」

笑顔を向けたわたしを、亮平は突然抱きしめた。

「会社でも、一緒にいられる時間が増えるな」

「う、うん…。亮平、外にみんないるから」

体を押し返そうとするわたしの手を、亮平は制止した。

「構わないよ。誰にも見えてないんだから」

「で、でも…」

顔を見上げた瞬間、唇が重なる。

小さく抵抗してみたけれど、亮平は唇を離してはくれなかった。
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