俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「お疲れ様でしたー」
毎日、毎日仕事は忙しい。
一人、また一人と帰宅をし、気がつけば亮平と二人きりになっていた。
「早川さん、また差し入れにやって来るかな?」
独り言の様に呟くと、
「来ないんじゃないか?今日はアポの後、直帰になってるから」
亮平が応えてきた。
「じゃあ、ずっと二人きりってこと?」
ドキドキしながら問いかけてみる。
だけど、それはアッサリと流されてしまった。
「香乃子も早く帰れよ。帰れる内に帰ってた方がいい」
「えー?帰らないとダメ?」
せっかく二人きりなのに。
今度いつ二人きりになれるか分からないのに。
「当たり前だ。もう仕事終わったんだろ?」
きつい目で凄まれ、小さくなるしかない。
「別に残業代とかつけないし…。ただ待っておくだけは?」
「ダメだ。帰れ」
「…はぁい」
亮平がここまで意思が固い時は、どんなに言っても無駄だ。
二人きりでも、今は全然甘い雰囲気になれないみたい。
仕方なく帰り支度をすると、仕事に夢中な亮平に声をかけた。
「お疲れ様」
「ああ、お疲れ」
ったく、顔も上げず手を振ってるだけなんて、ホント冷たいんだから。
イライラを感じながらビルを出たところで、誰に声をかけられた。
「香乃子ちゃん、今帰り?」