俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
お互い言葉は出てこず、ただ見つめ合うだけ。
今夜は、まるで悪夢だ。
どうしてお互い、違う相手とキスをしたの?
わたしたち、本当はお互いがキスをしたい相手だよね?
それが、どうして…。
エレベーターの扉が開き、ゆっくりと乗り込む。
亮平の顔を見ることなんて出来なくて、背中を向けたまま扉が閉まるのを待った。
涙が溢れるのは、ショックと嫉妬と混乱から。
亮平を責めきれないのは、わたしにもやましい事情があるから。
亮平はどうしてキスをしたの?
早川さんはいつの間に、ここへ来てたの?
今夜は来ないだろうって、亮平言ってたじゃない。
もしかして、わたしを帰したのは早川さんが来るから?
違うよね?
そうじゃないよね?
その夜、眠ることも出来なかったわたしは、朝早く出勤した。
こんな風になっても、やっぱり亮平に会いたくて。
気になって気になって、家になんていられない。
心は急いてオフィスへ着くと、ちょうど休憩室から寝起きの亮平が出てきたところだった。
「りょ…」
呼びかけようとして出来なかったのは、その後から早川さんが出て来たからだった。