俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「平瀬さん…、おはようございます。わたし、今日はこのまま帰りますので」
うつろな目で、髪が少し乱れている早川さんは、わたしの横をフラフラと通り過ぎた。
ボタンを掛け違えているシャツがあまりにもリアルで、その場に立ち尽くすだけだ。
「平瀬、ちょっと待ってろよ?」
亮平もまだ目が覚めきっていないのか、フラフラとした足取りで早川さんを追いかけた。
「エレベーターまで送っていくよ」
そう言っている。
なんなの?
二人はまさか、エッチした?
フラフラするのはわたしも一緒だ。
一人デスクに着き、ボーッと座り込む。
二人の会話が聞こえるはずもないけど、思った以上に時間がかかっていて、聞き耳を立てる自分がいる。
それから10分ほど経ったか、亮平が戻ってきた。
服は昨日と同じで、無精髭も生やしたままだ。
「早いんだな。良かった話が出来る」
いつもより覇気のない声で、ため息が混じっている。
「話ならわたしもあるの。良かった、二人きりになれて」
「話?」
ほとんど、あてつけだった。
話すつもりなんてなかったし、亮平との関係に波風を立てるつもりだってなかったけど…。
「わたしもね、修司さんとキスしちゃった」