俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
すれ違いの夜


パーティーは週末に、ホテルで開かれる予定になっている。

そこまでは、新幹線で一時間。

立派な小旅行だ。

その週末を前に、少し話があるからと亮平に誘われ、仕事終わりに久々にマンションへ向かったのだった。

「良かった。正直、来てくれないんじゃないかって、ビクビクしてから」

部屋に入るなり、亮平は服を脱いでいる。

「な、何いきなり脱いでるの!?」

動揺で思わず後ずさりをすると、亮平が笑った。

笑顔を見るのは久しぶりで、それだけで心か温かくなる。

「嬉しいじゃん。香乃子がそんな反応をしてくれるなんて。ドキッとした?」

楽しそうに笑顔を浮かべ、わたしに近づいた。

「あ、あのね亮平!今は、そんな事を言ってる場合じゃないでしょ?早川さんとの噂、全然真相が分からないままなんだけど」

油断すると、すぐこれだ。

ここ数日、会社以外での接触はなかったのに、そんなブランクなんて、亮平にはお構いなしらしい。

「それは香乃子が、ちゃんと話を聞かないからだろ?」

「それは、そうだけど…。だけど、噂くらいは否定して欲しいよ。何で、みんなに黙ったままなの?」

「ん?それは、その方が都合がいいからだよ」

そんな意味不明な釈明をした亮平は、呆気に取られるわたしにキスをしてきたのだった。
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