俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「平瀬さん、わたしが編集長を好きでいることは、いけないことじゃないですよね?」
そう言う早川さんの目は真剣そのもので、亮平を想う気持ちが、痛いくらいに伝わってくる。
「うん。いけないことじゃない。恋愛は自由だもの」
ヤキモチが全くないかと言えばウソで、また一つ、心配事が増えた気がする。
それでも早川さんの気持ちを、受け止めたかった。
「良かった。これで堂々と片想いが出来ます。それと、話は変わるんですけど…」
「何?急にテンションを下げて…」
やめてよ、やめてよ。
嫌な話?
声をひそめる早川さんに、わたしは息を飲む。
「実は、兄のことで…」
「あ、修司さん?そうよね、あれからどうなったの?気になってはいたんだけど」
なんだ、修司さんの話か。
大袈裟に声をひそめるんだもん。
驚いたじゃない。
すると、早川さんはいたって真面目な顔で言ったのだった。
「実は沙耶さん、正式に婚約解消を申し出て…」
「え!!ホントに?凄いじゃない!」
これで、修司さんの気持ちは報われたわけだ。
どれだけ喜んでるだろう。
「実は、そんな呑気な事を言ってる場合じゃないんですよ」
「どういう意味?」
「相手の人がカンカンで。あのホテル、お兄ちゃんの会社の取引先でもあるので、契約解除になる勢いで…。それでお兄ちゃん、今日から会社を謹慎処分になってるんです」