俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「そっか…。気持ちは変わらないのか。オレとしては、引き止めて欲しかったんだけどな」
ため息は、諦めを意味するように聞こえて、やっと分かってもらえたと安心した。
「引き止めないよ。だって、亮平の仕事は、いろんな人の幸せや夢を生み出すんだから」
「生み出す?オレが?」
キョトンとする亮平に、わたしは笑顔を向けた。
「だってそうでしょ?VILLAを読んだ人たちが、その情報でいろんな思い出を作っていく。それに、早川さんみたいに、雑誌を作る仕事に憧れを抱く人だっているんだから。わたし一人が、亮平を独り占めするわけにはいかないよ」
そう言うと、亮平は力無い笑顔を浮かべた。
「そんな風に言われたのは初めてだな。分かった。ちゃんと分かったから、香乃子は安心しろ。プロジェクトは、何とか続けられる様に交渉してみるよ」
「本当に!?良かったぁ」
これで、亮平の夢は繋がったわけだ。
「だだし、二人の時は遠慮はしない。絶対に」
「え?」
「なあ、香乃子。今日はもう帰ろう」
「もう?でも、仕事は?」
「今日は終わり。それより今夜は、いつも以上に香乃子を抱きたい」
亮平の止まらない気持ちに、わたしの胸は熱くなる。
距離も、こんな風に愛情に変えられたらいいね…。