俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


すると、編集長は顔を少し赤らめ、後ずさりをしたのだった。

それは、わたしが見つめたからではなく、どんどんと絵美さんが顔を近付けるから。

「可愛いって、一言言ってあげてもいいじゃない。上司なんでしょ?」

そんな絵美さんに圧され、編集長は言葉すら出ない。

意外と尻に敷かれるタイプなのか。

すると、気を取り直したのか、ようやく普通に戻った編集長が、今度は絵美さんに顔を近付けた。

「お前はすぐ調子に乗るよな?付き合ってる頃なら、ここでお仕置きするとこだけど」

「えっ!?」

さすがの絵美さんでも、その言葉は効いたのか、小さな照れ笑いを浮かべて編集長から離れた。

その姿に、編集長は呆れた様なため息をつき、絵美さんはメイク道具を片付け始めている。

ていうか、わたしがいるんだからイチャつかないでよ。

垣間見てしまった、『元恋人同士』の二人に、心はザワザワしながらヤキモチで一杯だ。
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