俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
二人を見たくないからです、とは言えない。
黙ったまま立っているわたしに、編集長はごく当たり前に言ったのだった。
「じゃあ、一緒に帰ろう。車で来てるから」
「え?」
一緒に帰ろうって、そんな当たり前に言われても、ムダにドキドキするだけなんですけど…。
「香乃子ちゃんは、亮介と一緒に帰るのがイヤなんじゃないの?」
絵美さんの鋭いツッコミに、編集長は顔をしかめている。
「それなら、なおさら一緒に帰ってもらうからな」
「何をムキになってんのよ」
ケラケラと笑う絵美さんの頭を、編集長が軽く小突いていた。
それがあまりに自然で、そういうのを見たくないから帰りたかったのに、タイミングを逃したわたしは、再びイスに座り直したのだった。
仕事のことなのに、話に入れないもどかしさ。
わたし、どうして引き止められてるんだろ。