俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


ようやく終わったのは、それから一時間後だった。

外はすっかり陽が沈み、いつの間にか夜だ。

「じゃあ、またね香乃子ちゃん」

「はい。今日はありがとうございました」

駐車場まで見送りに来てくれた絵美さんは、助手席の窓から覗くわたしに笑顔を向けた。

「亮介もね」

「ああ、またな」

アッサリとした返事を返した編集長は、アクセルを踏むとクラクションを軽く鳴らした。

それが、絵美さんに向けた挨拶だということくらいは分かる。

きっと付き合ってた頃も、していたことなんだろうな。

「編集長って、本当に絵美さんと仲がいいんですね」

「そうか?普通だと思うけどな」

「そんなことないですよ。さすが、元恋人同士って思いましたもん」

なんて、我ながら自爆行為だと思う。

余計なことを聞いて、傷口を広げようとするんだもの。
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