俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
記事を書くために旅館を散策していると、木々の匂いに疲れが吹っ飛んだ。
中庭は散策用に池や小さな橋が作られていて、泳ぐ鯉を見ることができる。
それに鳥のさえずりも時々聞こえ、都会では味わえない癒しを、しばらくベンチに座って堪能していた。
「ここに編集長がいたら最高なのにな」
編集長は、旅館の人と打ち合わせに入ってしまっている。
もちろん、遊びに来ているわけじゃないのだから当たり前なのだけど…。
「よし!一人でも友達同士でも、カップルでも癒される空間、そんな記事にしようかな」
メモを取り出し、忘れない内に書き留める。
すると、後ろから編集長の声が聞こえてきた。
「気になる人と散策するのもオススメってのはどうだ?ここ、散策だけも出来るらしいよ」
「編集長、いつの間に?もう打ち合わせ終わったんですか?」
「おう、終わった。本当に癒されるなぁ。疲れも飛ぶ感じがするよ」
腕を伸ばした編集長は、わたしの隣に座ったのだった。