俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「あれ、編集長。打ち合わせ、もう終わったんですか?」
給湯室に入ると、先に編集長がコーヒーを作っていた。
予想外の展開に、一気に気分は上がっていく。
「いや、小休止。思った以上に揉めてさ。平瀬は?」
「わたしも、ちょっと気分転換にコーヒーでも飲もうかなって」
すると編集長は、わたしにもコーヒーをいれてくれた。
こういうさりげない優しさが、わたしの恋心を加速させていく。
「ありがとうございます。揉めてるなんて、大変ですね」
「まあ、仕方ないよ。相談してくれるだけマシだけどな」
苦笑いを浮かべながら、編集長は小さくため息をついた。
やっぱり、疲れてるんじゃない。
編集長て、何をしている時が癒されるんだろう。
わたしが少しでも、力になれたらいいのに…。
と、その時だった。
廊下から、女性社員の会話が聞こえてきたのだった。
「平瀬さんも気の毒よね。わたしなら、編集長と一時間でも二人きりでいたくないよ」
「わたしも!だいたい、出張って言ったって、温泉入って美味しいもの食べたんでしょ?羨ましいよねぇ。気楽なもんだわ」