俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「え?オレに?」
これには編集長も、呆気に取られている。
何せ、社内での評判の悪さは、たったさっきも身を持って感じているはずだから。
それなのに、初対面の新人ちゃんから会えて感動したと言われたのだから、呆気に取られる気持ちも分かるというものだ。
「はい。高垣編集長の噂は、親会社でもスゴイんですよ。イケメンなデキる編集長がいるって。編集長て、ヘッドハンティングでうちに来てるんですよね?」
「ま、まあ、そうだな」
ええ!?
ヘッドハンティングで来てたなんて、初耳なんですけど。
思わず編集長を見ると、照れ臭そうに目を泳がせている。
わたしが入社した時には既にいたし、みんな悪口しか言わないから全然知らなかった。
呆然と立ち尽くしていると、早川さんはわたしの側をスッと通り過ぎ、編集長の所まで歩み寄ると手を差し出した。
「高垣編集長。わたし、編集長のような方は憧れです。いろいろと仕事を教えてください。右腕になれる様に、頑張りますから」
早川さんのその言葉に、わたしは胸がざわついていた。
ただの仕事熱心な新人ちゃんじゃない。
そう女の勘が働いたから。