俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
早川さんの評判は、たった一日で社内のトレンドになった。
その可愛さに似つかないほど仕事熱心なところや、何より編集長に憧れを抱いているところは、みんながスルー出来ない話題のネタになっている。
「ちょっと、香乃子ってば最強のライバル出現じゃない。早川さんて、もともと編集長が前の会社で担当していた雑誌のファンだったらしいね」
弥生が、デスクからイスごと体を近付け囁いてきた。
「えっ?そうなの?」
「みたいよ。元々、電子書籍とかに興味があって、編集長もそれに携わってたことがあるみたい。その時からのファンで、編集長を追いかけてきたって噂もあるし」
「ホントに!?だけど、それがもし本当なら凄くない?追いかけてくるなんて、普通じゃないって…」
「だから、香乃子も本気を出さなきゃ。あんまりのんびりしてると、早川さんに取られちゃうかもよ」
「えー」
そんなの絶対にイヤ。
編集長をずっと好きだったのは、わたしの方なんだから。
と思いつつも、編集長のファンだったなんて、手強そうな新人ちゃんの出現に、嫌な予感を感じるのだった。