俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


「香乃子ちゃん、次に会うときは撮影じゃない?それで、確認の電話だったの。この間の練習通りでいい?」

「はい。大丈夫です」

なるほど、そういう用事で電話だったんだ。

「そういえば、絵美さんのところへ行く途中、すごくカッコイイ人に出会ったんですよ」

「カッコイイ人?」

なんとなく編集長の話題を振られたくなくて、エレベーターで出会った男の人の話をしてみる。

すると、意外にも絵美さんは、興味深そうに聞いたのだった。

「へえ。14階ってことは、もしかして修司(しゅうじ)くんかな?イケメンで有名なのよ」

「ええ!?絵美さん知ってるんですか?」

「うん。たまたま知り合っただけで、連絡を取り合うとか、そういう仲じゃないんだけどね」

へぇ。

世界は案外狭いのね。

まさか、あのイケメンが絵美さんの知っている人かもしれないなんて。

「また会えたらいいんですけどね」

なんて、心にもないことを言ってみる。

でもお陰で、編集長の話題はそれていった。
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