俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
絵美さんとの電話を終えて一息つくと、今度は早川さんから声をかけられた。
「平瀬さん、すいません。書庫の場所を教えて欲しいんですけど…」
「書庫?」
さっきまで編集長と一緒にいたのに、わざわざわたしに聞きに来るの?
チラリと編集長のデスクへ目を向けたわたしに気付いたのか、早川さんが理由を教えてくれた。
「編集長は、打ち合わせに入っちゃって。平瀬さんに教えてもらったらいいと言われたので」
「なるほどね。うん、いいよ。こっちだから」
立ち上がりながら、早川さんにオフィスを出るように促す。
こういう時、編集長から任されるのって嬉しい。
いくら可愛くて従順な新人ちゃんだからって、やっぱり編集長を奪われるわけにはいかないと、改めて思わされる。
いい加減わたしも、本気を出さなきゃ。
「書庫はね、一つ下の階の一番端の部屋なのよ」
「そうなんですか」
だけど、ホント仕事熱心なコ。
わたしの説明も、真剣に聞いている。
書庫の扉は、社員番号とパスワードが必要になり、それを説明すると頷きながら聞いている。
「探し物なら、わたしも手伝うよ」
そう言うと、早川さんの顔がパッと明るくなった。