俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「ありがとうございます!平瀬さんて、編集長に対して偏見が全然ないんですね」
「え?どういう意味?」
「実は、編集長の評判が良くないって知ってるんです」
「知ってるって…?」
その口ぶりだと、前から知ってるような感じじゃない。
編集長の噂が、まさか親会社にまで伝わってるってこと?
それを考えるとゾクっとする。
「そうなんです。だけど、高垣編集長はとても優秀な方で、実績もあります。いずれは、親会社のプロジェクトに参加して欲しい方。だから、編集長のフォローにわたしが来たんですよ」
言っている言葉に気圧されそうになるけど、早川さんはあくまで笑顔を消さない。
「編集長のフォローって、何をするの?」
「それは、基本的には仕事のフォローです。編集長は仕事に妥協をしないので、みなさんと衝突するんですよね」
「う、うん」
スゴイ…。
一週間かそこらで、もう編集長の性格を把握してるの?
「だから、少しでもみなさんに編集長の良さを分かってもらって、いずれはわたしと一緒に親会社に行ってもらいます。きっと、誰より一番、編集長の仕事のファンはわたしですから」
自信たっぷりな早川さんに、情けないけど何も言えなかった。
ただの新人ちゃんの赴任じゃなかったことで、ようやく事の重大さに気付く。
これはかなり手強い敵だわ。