俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


自分の気持ちにウソをつくのって、結構疲れるな。

早川さんの手前、編集長と接する時にはフツーの部下を演じてるけど、本当はもっと距離を縮めたいのに…。

ホント、わたしのバカ。

「えー?編集長スゴイですね。やっぱり憧れます」

車中での編集長と早川さんの会話が、正直ウザイ。

今日は、絵美さんのトコでの撮影の日だ。

ハーティーへ向かう社用車で、わたしは『助手席の座』を早川さんに奪われていた。

それというのも早川さんは、わたしが編集長と仲良さそうに見られているのを迷惑だと思い込んでいるから。

そんなことを言ったつもりはないのに、編集長を好きか聞かれた時に、思い切り否定したのが良くなかったみたいだ。

だから、今日の助手席も早川さんからしてみれば、気を遣っているつもりらしい。

お陰で後部座席から、二人の会話を聞くハメになっている。

仕事の話を聞かれて、編集長はいつになく楽しそうだ。

今、わたしが後ろにいるってこと、忘れてるんじゃないの…?
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