俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
撮影場所に行くまでの間、わたしは二人の後をついて歩くだけだった。
今までなら、編集長の隣はわたしの場所だったのに。
疎外感でいっぱい…。
「おはよー香乃子ちゃん。今日はよろしくね」
「はい。よろしくお願いします」
相変わらず元気のいい絵美さんに出迎えられたけど、同じだけのテンションは保てそうにない。
ため息を飲み込むだけで、精一杯だ。
「亮平、彼女が新人の子?」
絵美さんは、さっそく早川さんに目を向けている。
すると、早川さんはサッと前に出て、会釈したのだった。
「早川亜矢です。よろしくお願いします」
さすが卒のない動きで、皮肉さえ言いたくなる。
「こちらこそ、よろしく」
絵美さんはニコリとすると、すぐに編集長に目を向けた。
「亮平、打ち合わせ通りでいいわよね?」
「ああ、いいよ。それから…」
相変わらず二人でサッサと話を進めるんだから。
奥で最後の打ち合わせをしている姿に、相変わらずのヤキモチを妬いていた時、早川さんが耳打ちをしてきた。
「編集長って、園田さんと付き合ってたんですよね?凄くお似合い」
「えっ?そんな事まで知ってるの?」
一体、いつの間に聞いたのよ。
驚くわたしに、早川さんは涼しい顔で答えたのだった。
「昨日、お昼を一緒にしたんですよ。その時に」