俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


「お疲れ様ー!香乃子ちゃん、可愛かったよー」

やっと撮影が終わると、真っ先に絵美さんがやって来た。

「ありがとうございます。無事に終わって、ホッとしました」

思った以上に、素人のわたしには荷が重過ぎて、心底疲れた。

だけどこれで、肩の力も抜けるというもの。

大きく息を吐いていると、早川さんが興奮気味に寄ってきたのだった。

「平瀬さん、素敵でした!すごくメイク似合ってますよ」

「あ、ありがとう」

屈託無い笑顔を見せられてタジタジだ。

早川さんて、悔しいけど人柄がいいのよね…。

今も、お世辞じゃなく本気で言っているように聞こえるし。

だからそ、やっぱり強敵なライバルな気がする。

「お疲れ、平瀬。原稿が出来上がるの楽しみだな」

「はい。ありがとうございます」

編集長にも、少しは可愛く映ったかな。

声をかけてもらえて、疲れはあっという間に吹き飛んでしまった。

なんて、たいがいわたしも調子がいい。
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