俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


会社に泊り込みをしてでも仕事に打ち込む姿は、わたしは素敵だと思うな。

泊り込みなんて、なかなか出来ることじゃないし……、泊り込み?

そうだ、思い切って聞いてみようか。

みんなもわたしも、疑問に思ってることを。

「編集長、会社に泊まり込んでる時って、お風呂に入ってないんですか?」

すると、蕎麦を食べ切った編集長が、この上ない不快感たっぷりの顔を向けたのだった。

「バカにしてんのか?」

「えっ!?そういう訳じゃないんですけど…」

これはマズイ。

本気でお怒りモードだ。

タジタジになったわたしは、とりあえず蕎麦をすすって誤魔化してみたけど、慌てていたせいで口の中を軽くヤケドしてしまった。

「あつっ…」

もう踏んだり蹴ったり。

涙目のわたしに、編集長は呆れたため息をついている。

「何をやってんだよ。大丈夫か?ほら、水飲んどけ」

「ありがとうございます…」

ぶっきらぼうな言い方だけど、こうやって水を入れてくれるところなんて、やっぱり優しい。

水を飲むわたしに、憮然と腕組みをした編集長が言ったのだった。

「風呂、ちゃんと入ってるからな」
< 9 / 246 >

この作品をシェア

pagetop