俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


あのイケメンビジネスマンが、早川さんのお兄さん?

呆気に取られるわたしに、早川さんは嬉しそうに食いついてきた。

「平瀬さんて、兄を知ってるんですか!?スゴイ偶然ー!」

「ま、まあ。ただエレベーターで会っただけなんだけど」

イヤだなあ。

編集長の前で、この話はやめて欲しい。

だけど意に反して、今度は絵美さんが楽しそうに話に乗ってきた。

「香乃子ちゃん、カッコイイって言ってたもんねぇ。名字が一緒だったから、まさかとは思ったんだけど。本当に修司くんの妹さんだったなんて」

「そうなんですか?平瀬さん、兄がタイプなら紹介しますよ。ちょうど彼女もいないですし」

「ええっ!!別にいいよ」

むしろ遠慮する。

わたしが好きなのは、編集長なんだってば。

それなのに、早川さんはかなり乗り気で、ブツブツと独り言を呟いていたかと思えば、次にはわたしにやる気満々に言ってきたのだった。

「今週末、一緒にご飯食べませんか?わたし、兄を誘いますから。良かったら、編集長と園田さんもどうですか?」

ええー!!

何、二人を誘ってるのよ。

というか、何で修司さんを紹介されることになってるわけ?

「わたしは仕事で無理だわ。残念。亮平は大丈夫なんじゃないの?行ってあげたら?」

「え?オレ?」

ダメダメ!

編集長に来られたら困る。

それに、わたしは修司さんを紹介されたいわけじゃない。

早川さんには断ろう。

そう思った時、「いいよ。行くよ」の編集長の返事で、週末の予定は確定されてしまったのだった。
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