俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
何で、こんなことになったんだろう…。
早川さんはアポへ向かい、ようやく編集長と二人きりになれたというのに、気が重いったらない。
それに、何だか編集長のご機嫌は斜めだ。
撮影の間は楽しそうだったのに、ムスッと黙り込んでいる。
足早に駐車場へ向かう編集長の背中へ、思い切って声をかけてみた。
「編集長、今日の撮影お疲れ様でした。まるで、モデルさんになったみたいで楽しかったです」
すると、ようやく足を止めて振り向いてくれた。
「良かったな。それに、完成が楽しみじゃん。修司さんに見てもらえば?いいアピールになるんじゃないか?」
「えっ?」
編集長、何を言ってるの?
予想外の言葉に、自分でも顔が強張っているのが分かる。
「四葉のクローバーのキーホルダー、ご利益あったんじゃないのか」
それって、わたしが修司さんとうまくいけばいいって思ってるってこと?
返す言葉も見つからず立ち尽くしていると、編集長は再び歩き出した。
だけど、わたしはその後をついて歩けない。
「どうしたんだよ、平瀬。早く帰ろう」
気付いた編集長が振り向いて声をかけてくれたけれど、顔をまともに見ることさえ出来なかった。
「いいです。わたし一人で帰りますから、編集長は先に帰ってください」