俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
そう言うと、編集長は表情を硬くした。
「何で?一緒に帰ればいいだろ?それとも、他に何か用事があるのか?」
「用事なら、編集長の方があるんじゃないですか?絵美さんのところの撮影が終わったら、話があるって言ってたじゃないですか」
そうだよ。
それなのに、全然そんな素振りを見せてくれない。
「ああ、あれ?確かに言ったけど、もういいよ」
「もういいって…。わたし、何も聞かされてないですよ?仕事の話ですか?」
まさか、早川さんに話したとかじゃないよね?
焦る気持ちが込み上げて、問い詰めてしまったわたしから、編集長は顔をそらした。
「本当にいいんだよ。もう忘れろ。それより、早く帰ろう」
何よ、その言い方。
もういいとか、忘れろとか、勝手過ぎるじゃない。
じゃあ、代わりに誰に話したっていうのよ。
「わたし、一人で帰るって言いましたよね?お先に失礼します」
「あっ、おい!平瀬!」
呼び止める編集長を無視して、駐車場とは反対方向に進む。
情けないけど、完全にヤキモチだ。
早川さんがいなくなってたから、急に機嫌は悪くなるし、話だってなくなってる。
編集長はわたしより、早川さんの方がいいんだって、子供じみたヤキモチを止めることが出来なかった。