俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
ホント、最悪。
もちろん、編集長のことでも早川さんのことでもない。
自分のことだ。
「これで、本当に嫌われちゃったなぁ」
大きなため息をつきながら、トボトボ歩いているけれど、会社まではまだまだ遠い。
どこかでバスに乗ろう。
と思うけれど、バス停を探す気にもなれなかった。
「編集長の大バカ。何がご利益よ」
貰った四葉のクローバーのキーホルダーは、編集長への想いが叶って、初めてご利益があるんだから。
「もう一度、お願いしておこ」
キーホルダーを取り出そうと、カバンに手を入れる。
だけど、あるはずの場所にそれはなかった。
「あれ?確か、内ポケットに入れたはず…」
手探りで探しても、カバンを覗き込んでもやっぱりない。
「どうして!?絶対に入れたのに」
確か、絵美さんのところに行くまでは入ってたのを見た。
それなら、絵美さんのところから、ここまでの間に落としたってこと?
カバンはボタンで留めるタイプで、外ポケット以外はファスナーがついていない。
常々、落し物には気をつけなきゃと思っていたのに、一番大事なものを落としてしまったのだ。
「探さなくちゃ」
あれは、編集長から貰った大事なキーホルダーなのに。
もし失くしちゃったら、本当にこの想いは叶わない気がする。