センセイの好きなもの
作りすぎたときでも巧先生は全部ペロリと平らげる。それは本当に嬉しいんだ。
百合子先生はニコニコしている。
「つむちゃん、いい顔してる。ちゃんと自分の居場所を見つけたのね」
「居場所?」
「ここを離れて色んなところで暮らしたでしょう。お母さんのことがあって落ちついて暮らせなかったもんね。いつも怯えたような感じで心配してた。だけど今のつむちゃん、とっても穏やかな顔をしてる。人はどんな生き方をしているか顔に出るのよ」
逃げ回る生活はもうしたくない。普通に生きたい。そう思いながら生きてきた。
あの街でずっと暮らせるなら、事務所でずっと働けるなら、私もようやく人並みに生きられる。
「きっとその巧先生のおかげね。隣に誰かがいてくれるって大事なことよ」
巧先生が初めて家に来たとき、自分以外の誰かが家に居ることを嬉しく思った。
少し前から週2回は一緒に夕飯を食べるようになって、ブツブツ言いながらも内職を手伝ってくれる。しかも内職のことを知ったときも誰にも言わずにいてくれた。
百合子先生はニコニコしている。
「つむちゃん、いい顔してる。ちゃんと自分の居場所を見つけたのね」
「居場所?」
「ここを離れて色んなところで暮らしたでしょう。お母さんのことがあって落ちついて暮らせなかったもんね。いつも怯えたような感じで心配してた。だけど今のつむちゃん、とっても穏やかな顔をしてる。人はどんな生き方をしているか顔に出るのよ」
逃げ回る生活はもうしたくない。普通に生きたい。そう思いながら生きてきた。
あの街でずっと暮らせるなら、事務所でずっと働けるなら、私もようやく人並みに生きられる。
「きっとその巧先生のおかげね。隣に誰かがいてくれるって大事なことよ」
巧先生が初めて家に来たとき、自分以外の誰かが家に居ることを嬉しく思った。
少し前から週2回は一緒に夕飯を食べるようになって、ブツブツ言いながらも内職を手伝ってくれる。しかも内職のことを知ったときも誰にも言わずにいてくれた。