センセイの好きなもの




GWが終わって、生活は普段通りに戻った。
とは言ってもすぐに週末がくるわけで、休みボケしそうだ。


大先生はお土産にと温泉饅頭に、サービスエリアで買ったというバームクーヘンとマカロンを持ってきてくれた。

みち子さんは旦那さんと映画と舞台を見に行ったという。
吉川先生は実家で羽を伸ばして、巧先生はというと…。



「俺?俺はのんびりしてたけど、コキ使われてたな」


「コキ?巧先生、何やってたんすか」


吉川先生はお饅頭のビニールを剥がしながら、プッと笑っている。
みち子さんはすでに口いっぱい。大先生は新聞を読みながらお茶を啜っている。


「あらー、やっと彼女でも出来たの?」


「いやいや、そんなんじゃなくて。せっかくの連休だってのにスゲー働いてるヤツがいて。袋詰めの仕事なんだけどさ、ダイレクトメール詰めんの。それ手伝ってきた」


巧先生はお母様のことを話してくれた翌日、朝から家にやってきた。
私は起き抜けで髪もボサボサ、すっぴん、しかもスエット…。
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