センセイの好きなもの
「吉川くん、訴えちゃえば?」
やれやれー!とみち子さんはけしかけている。ギャーギャー賑やかな会話を聞きながらお茶を啜っていると、電話が鳴った。
「はい、丸山法律事務所です。…はい、お待ちください。巧先生、玉井先生からお電話です」
「おう」
今ふざけていたとは思えないほど、一瞬で雰囲気が変わる。仕事だから当たり前なのかも知れないけど。
私は食べかけのお饅頭を口に運ぶ。薄皮と滑らかなこし餡て何で美味しいんだろう。
「……そんなこと急に言われても困るんですよね~。高村さんだってパートしてるんですよ?連絡は取ってみますけど。今日中には折り返しますので。はい、失礼します」
巧先生はムスッとして受話器を戻す。
「どうしたんすか?」
「高村さんの旦那が急に奥さんと話をしたいと言ってきたらしい。しかも調停は取り下げて、示談にしてほしいとよ。早く別れたいの一点張りで奥さんとロクに話もしてこなかったのに。まあそれならそれで、払うモンはきっちり払ってもらうけど」
やれやれー!とみち子さんはけしかけている。ギャーギャー賑やかな会話を聞きながらお茶を啜っていると、電話が鳴った。
「はい、丸山法律事務所です。…はい、お待ちください。巧先生、玉井先生からお電話です」
「おう」
今ふざけていたとは思えないほど、一瞬で雰囲気が変わる。仕事だから当たり前なのかも知れないけど。
私は食べかけのお饅頭を口に運ぶ。薄皮と滑らかなこし餡て何で美味しいんだろう。
「……そんなこと急に言われても困るんですよね~。高村さんだってパートしてるんですよ?連絡は取ってみますけど。今日中には折り返しますので。はい、失礼します」
巧先生はムスッとして受話器を戻す。
「どうしたんすか?」
「高村さんの旦那が急に奥さんと話をしたいと言ってきたらしい。しかも調停は取り下げて、示談にしてほしいとよ。早く別れたいの一点張りで奥さんとロクに話もしてこなかったのに。まあそれならそれで、払うモンはきっちり払ってもらうけど」