センセイの好きなもの
♢女同士
週明け、事務所には高村さん夫妻と息子の煌成くん、そして玉井先生がやって来ていた。
私がお茶を持って行くと、煌成くんはお母さんにぴったりとしがみついて、お父さんを見る様子はなかった。
「ツム、終わるまで頼むな」
「はい。こうちゃん、お姉ちゃんと一緒にいようか?」
煌成くんは首を横に振ると、より強くお母さんにしがみついた。
お父さん―――高村実さんは真面目そうな印象だ。黒い髪は短髪で、細いフレームの眼鏡をかけている。白いワイシャツにベージュのチノパン。
「丸山先生、煌成くんに同席してもらったらどうですか。まだ小さいですし」
玉井先生は今日もビシッとスーツを着こなしていて、ストレートのロングヘアを一つに束ねている。
「今までロクに話し合いをしたがらなかったご主人が、話し合いをしたいと言った。それは只事じゃないと思うんですけどね、俺は。煌成くん、ツム姉ちゃんと遊んでてくれないかな?向こうでおばちゃんがジュース出してくれるし」
私がお茶を持って行くと、煌成くんはお母さんにぴったりとしがみついて、お父さんを見る様子はなかった。
「ツム、終わるまで頼むな」
「はい。こうちゃん、お姉ちゃんと一緒にいようか?」
煌成くんは首を横に振ると、より強くお母さんにしがみついた。
お父さん―――高村実さんは真面目そうな印象だ。黒い髪は短髪で、細いフレームの眼鏡をかけている。白いワイシャツにベージュのチノパン。
「丸山先生、煌成くんに同席してもらったらどうですか。まだ小さいですし」
玉井先生は今日もビシッとスーツを着こなしていて、ストレートのロングヘアを一つに束ねている。
「今までロクに話し合いをしたがらなかったご主人が、話し合いをしたいと言った。それは只事じゃないと思うんですけどね、俺は。煌成くん、ツム姉ちゃんと遊んでてくれないかな?向こうでおばちゃんがジュース出してくれるし」