センセイの好きなもの
煌成くんは不安そうにしながらも、私と一緒に応接室を出てくれた。
リュックの中からはミニカーがいっぱい出てきて、テーブルの上に並べて得意気に車種を教えてくれる。
「あらァ、いっぱい持ってるのね。うちは女の子しかいないから、こういうのは買う機会がなくてね。リアルな作りだこと」
みち子さんはジュースとお菓子を持ってきてくれた。
大先生は講演会の仕事で夕方まで戻らないみたいだし、吉川先生は交通事故の裁判に向けてクライアントと一緒に被害者の方のところへ出向くという。
「僕も子どもの頃は集めてたなぁ。いつも兄貴と取り合いだったけど。煌成くんはいいなぁ、一人占め出来て」
「おうちにもっといっぱいあるよ!」
「電車も好きだもんね」
「うん!」
吉川先生は背広を持つと「行ってきます」と小走りに出て行った。
先生たちはみんな忙しい。
巧先生、イライラしないといいけど…。
話し合いも穏便に終わるといいな。巧先生は前に「子どもに罪はない」と言っていた。それは巧先生自身が辛い思いをしたから、きっと手に取るように分かるんだろう。
リュックの中からはミニカーがいっぱい出てきて、テーブルの上に並べて得意気に車種を教えてくれる。
「あらァ、いっぱい持ってるのね。うちは女の子しかいないから、こういうのは買う機会がなくてね。リアルな作りだこと」
みち子さんはジュースとお菓子を持ってきてくれた。
大先生は講演会の仕事で夕方まで戻らないみたいだし、吉川先生は交通事故の裁判に向けてクライアントと一緒に被害者の方のところへ出向くという。
「僕も子どもの頃は集めてたなぁ。いつも兄貴と取り合いだったけど。煌成くんはいいなぁ、一人占め出来て」
「おうちにもっといっぱいあるよ!」
「電車も好きだもんね」
「うん!」
吉川先生は背広を持つと「行ってきます」と小走りに出て行った。
先生たちはみんな忙しい。
巧先生、イライラしないといいけど…。
話し合いも穏便に終わるといいな。巧先生は前に「子どもに罪はない」と言っていた。それは巧先生自身が辛い思いをしたから、きっと手に取るように分かるんだろう。