センセイの好きなもの
「ツム。これからちょっと込み入った話になるから、終わるまでこの子を見てやってくれるか」


男の子はテーブルの上や床で、ミニカーを動かして遊んでいる。
目がくりくりしていて、ハーフパンツから出た膝にはすり傷がある。活発そうだ。


「車好きなの?」

「うん!電車も飛行機も好きだよ」


純粋なキラキラした目。私がこれくらいのときはどうだったかな。


「お母さん、先生と大事なお話があるんだって。お姉ちゃんと外に行かない?駅が近いから電車もバスも見えるよ。公園もあるし」


男の子は私とお母さんの顔を交互に見る。知らない人に急に外に行こうなんて言われても不安になるよね…。


「ママ、お話が終わったらすぐお迎えに行くから、少しだけお姉ちゃんといてくれるかな?」


「…うん」


少し不安そうにしながらも、しっかりと頷く。お利口さんだな。
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