センセイの好きなもの
地元を離れて、まったく知らない土地で暮らしてもそれは続く。
同じことばかりを繰り返して精神的にも限界になった私は少しの間、施設に戻ってかくまってもらった。
そのときに百合子先生が紹介してくれたのが、旦那さんの知人の知人である大先生。
大先生はわざわざ出向いてくれて、私の事情を知ると事務所で雇ってくれると言った。
住むところも一緒に探してくれたし、何かあったらすぐに連絡をするようにと言われている。
「そんなに大変なこと、どうしてもっと早くに言わなかったんだよ。俺が変な目で見るとでも思ったか?」
「そうじゃなくて…巧先生はそんな人じゃないって分かってるけど、言い出せなくて…」
急に視界が変わったと思ったら、巧先生に抱きしめられていた。力強い腕の中に私はすっぽりとおさまって、広い胸からは巧先生の心臓の鼓動が聞こえる。
「心配するな。ツムは俺がちゃんと守る。だから何があっても逃げるな。しっかり向き合って解決しよう。みんなお前の味方だよ。大丈夫」
「はい」
巧先生は私を抱きしめたまま、そっと頭を撫でてくれた。私は一人じゃないんだ…。
同じことばかりを繰り返して精神的にも限界になった私は少しの間、施設に戻ってかくまってもらった。
そのときに百合子先生が紹介してくれたのが、旦那さんの知人の知人である大先生。
大先生はわざわざ出向いてくれて、私の事情を知ると事務所で雇ってくれると言った。
住むところも一緒に探してくれたし、何かあったらすぐに連絡をするようにと言われている。
「そんなに大変なこと、どうしてもっと早くに言わなかったんだよ。俺が変な目で見るとでも思ったか?」
「そうじゃなくて…巧先生はそんな人じゃないって分かってるけど、言い出せなくて…」
急に視界が変わったと思ったら、巧先生に抱きしめられていた。力強い腕の中に私はすっぽりとおさまって、広い胸からは巧先生の心臓の鼓動が聞こえる。
「心配するな。ツムは俺がちゃんと守る。だから何があっても逃げるな。しっかり向き合って解決しよう。みんなお前の味方だよ。大丈夫」
「はい」
巧先生は私を抱きしめたまま、そっと頭を撫でてくれた。私は一人じゃないんだ…。