センセイの好きなもの
応接室を出ると、テーブルの上にはミニカーがたくさん並んでいた。
大先生はソファに座ってその光景を眺めながらニコニコしている。
「ほぉー、こんなに色んな車種があるのか。そういえば巧が小さい頃も家にあったかな」
「たくみって?」
「ん?ママが今お話してる先生だよ」
巧先生は一時間ほど前から高村さんと話している。
ご主人の相手の女性が慰謝料請求についてかなりゴネたらしく、弁護士を立てて争うと言ってきたらしい。
それでもご主人からの慰謝料と養育費は折り合いがついたそうで、マンションの売却についても不動産業者と話を進めているらしい。
「吉川くんはどうだった?」
「頭を抱えてましたよ。先生が把握していないことが出てきていて」
「そうか…こりゃまた僕がアドバイスしないとダメかな。でも手を出しすぎるのも良くないし…巧は巧でアレコレ案件持ってるし…」
大先生は前に、吉川先生がバリバリ仕事をこなせるようになるまで面倒を見るなんて言っていたけれど、そんな日はまだ遠そうだ。
大先生はソファに座ってその光景を眺めながらニコニコしている。
「ほぉー、こんなに色んな車種があるのか。そういえば巧が小さい頃も家にあったかな」
「たくみって?」
「ん?ママが今お話してる先生だよ」
巧先生は一時間ほど前から高村さんと話している。
ご主人の相手の女性が慰謝料請求についてかなりゴネたらしく、弁護士を立てて争うと言ってきたらしい。
それでもご主人からの慰謝料と養育費は折り合いがついたそうで、マンションの売却についても不動産業者と話を進めているらしい。
「吉川くんはどうだった?」
「頭を抱えてましたよ。先生が把握していないことが出てきていて」
「そうか…こりゃまた僕がアドバイスしないとダメかな。でも手を出しすぎるのも良くないし…巧は巧でアレコレ案件持ってるし…」
大先生は前に、吉川先生がバリバリ仕事をこなせるようになるまで面倒を見るなんて言っていたけれど、そんな日はまだ遠そうだ。