センセイの好きなもの
「平気平気。僕は若い奴らと違って、そんなに仕事を抱えてないから」


大先生は今は顧問弁護が主で、裁判や調停はなるべく巧先生と吉川先生に実績を積ませるために譲っているらしい。
そろそろ隠居したいとも言ってたけれど。

私は二人を追って砂場について行った。





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公園を後にする頃には、大先生も煌成くんも見事に汚れていた。
泥団子を作ったせいで、煌成くんの服は泥がついてしまっていたし、大先生もワイシャツに泥が跳ねてしまった。


「戻りましたー!」

「あら、功先生。二人してそんなに汚れちゃって、どうしたんですか」


みち子さんは計算する手を止めて目を丸くしている。私は大先生の背広をハンガーにかけて、バッグをソファに置いた。
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