センセイの好きなもの
私は巧先生の家に向かっていたのに、なぜだかそのまま私の家に行けと言う。
どうするつもりなんだろう…。
「ツム、一つ提案があるんだけど」
「何ですか」
運転に集中している分、投げやりな言い方になってしまう。
角を曲がるとき、ぶつからないかヒヤヒヤする。
「ツムの事情をみち子さんと颯にも話してみないか」
「えっ…」
心臓がドクンと激しく波打つような感じがした。みち子さんも吉川先生も差別や軽蔑なんかしないって分かってる。
分かってるけど、でも…。
赤信号でブレーキをかけると、巧先生は何か感じているかのように私の手を握ってくれた。
「大丈夫。あの二人はちゃんと分かってくれるよ。みち子さんはこの前ツムのこと守ろうとしてただろ?娘を持つ母親だからって。颯だって弁護士の端くれだぜ?何かあってからじゃ事情を話すのも大変だろ。だからツムが嫌じゃなければ…」
信号が再び青に変わって、私はアクセルを踏む。
巧先生に話したときも怖かった。でも受け止めてくれた。
どうするつもりなんだろう…。
「ツム、一つ提案があるんだけど」
「何ですか」
運転に集中している分、投げやりな言い方になってしまう。
角を曲がるとき、ぶつからないかヒヤヒヤする。
「ツムの事情をみち子さんと颯にも話してみないか」
「えっ…」
心臓がドクンと激しく波打つような感じがした。みち子さんも吉川先生も差別や軽蔑なんかしないって分かってる。
分かってるけど、でも…。
赤信号でブレーキをかけると、巧先生は何か感じているかのように私の手を握ってくれた。
「大丈夫。あの二人はちゃんと分かってくれるよ。みち子さんはこの前ツムのこと守ろうとしてただろ?娘を持つ母親だからって。颯だって弁護士の端くれだぜ?何かあってからじゃ事情を話すのも大変だろ。だからツムが嫌じゃなければ…」
信号が再び青に変わって、私はアクセルを踏む。
巧先生に話したときも怖かった。でも受け止めてくれた。