センセイの好きなもの
みち子さんたちが私の話を受け入れてくれなかったら、もう事務所にはいられない…。
だけどずっと黙っていて最悪の事態が起きたら?
母が事務所に来ないとは言い切れない。
そうなったら多大な迷惑をかける。
「先生、私…怖いです。もしダメだったら…」
「ダメだったとしたら、俺も一緒に事務所を出るよ。働くところはいくらでもある。独立したっていいんだし。心配するな。ツムの食いぶちくらい俺が稼ぐ。勇気を出して、もっと人を信じろ」
人を信じる―――。
そういえば巧先生に話したときも、この言葉を思い出したんだ…。
巧先生のお母様も百合子先生も言っていた言葉。
「今は一人じゃないだろ」
「はい…。巧先生がいます」
私はずっと一人だった。施設を出て一人で生活を初めて、それから母と再会して逃げ続けてきた。
だけど大先生と知り合って、いつの間にか巧先生が隣にいた。
みち子さんも吉川先生もきっと分かってくれる。私が人を信じなくちゃ何も始まらないんだ。
泣きそうになるのをぐっとこらえた。
だけどずっと黙っていて最悪の事態が起きたら?
母が事務所に来ないとは言い切れない。
そうなったら多大な迷惑をかける。
「先生、私…怖いです。もしダメだったら…」
「ダメだったとしたら、俺も一緒に事務所を出るよ。働くところはいくらでもある。独立したっていいんだし。心配するな。ツムの食いぶちくらい俺が稼ぐ。勇気を出して、もっと人を信じろ」
人を信じる―――。
そういえば巧先生に話したときも、この言葉を思い出したんだ…。
巧先生のお母様も百合子先生も言っていた言葉。
「今は一人じゃないだろ」
「はい…。巧先生がいます」
私はずっと一人だった。施設を出て一人で生活を初めて、それから母と再会して逃げ続けてきた。
だけど大先生と知り合って、いつの間にか巧先生が隣にいた。
みち子さんも吉川先生もきっと分かってくれる。私が人を信じなくちゃ何も始まらないんだ。
泣きそうになるのをぐっとこらえた。