センセイの好きなもの
「そうですね。レインコート着てもびしょ濡れになるだろうし」



思いがけず食事をさせてもらってその上、車で送ってもらえるなんてラッキーだったなぁ。


「そういえば明日の昼メシはカレーがいいんだけど」


「お腹がいっぱいのときに食べ物の話はやめてください」


「お前が食いすぎたんだろ」



……確かに。

肉なんてどれくらい食べたか分からない。
大先生と巧先生が次々焼いてくれて、ご飯も大盛りで食べちゃったし。
その他にも野菜焼き、ウィンナー、チヂミにキムチ…覚え切れないほど色んなものがテーブルいっぱいにあって、ついつい箸を伸ばしてしまった。

デザートにアイスも食べちゃったし。


「だって、美味しかったし…。あんなふうに外食したこともなかったし」



巧先生は私の頭に左手を置いた。じんわりと熱が伝わってくる。


「今度はみち子さんも誘って、みんなで来ればいいじゃねーか。ツムが今までやったことがないことは、これからやればいいんだから。俺が手伝う」


巧先生、そんなの数え切れないほどあるよ。だけどきっと何だかんだ言いながら、付き合ってくれるんだろうな。
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