センセイの好きなもの
「生意気な口を叩いてすいません。俺は彼女のことが好きで、それは彼女も知っています。まだ交際の申し込みはしていませんが…。いずれ結婚したいと思っています。ツムにはまだ言っていないんですけど…」
頭を下げると、ツムの母親は慌てたように言った。
「頭を上げてください。やっぱりそうだったんですね。昼間話しているとき、付き合ってるのかなって感じて。紡実をよろしくお願いします」
にこやかに微笑んでいるその表情はどこから見ても母親だった。
上手く言えないけど、娘の幸せを願える母親の優しい顔。
俺の母が亡くなったとき―――最後に話したときの母もこんな表情をしていた。
「三上さん、困ったことは何でも相談してください。もう一人、若い弁護士もおりますから。何か役に立てると思います。それから…これからもうちの事務所でツムちゃんをお預かりします。ツムちゃんは気が利いて料理も上手くて、欠かせない存在なんですよ」
「どうかよろしくお願いします」
ツムが母親を許せるのかは分からない。だけどそれを支えるのが俺の役目だ。
頭を下げると、ツムの母親は慌てたように言った。
「頭を上げてください。やっぱりそうだったんですね。昼間話しているとき、付き合ってるのかなって感じて。紡実をよろしくお願いします」
にこやかに微笑んでいるその表情はどこから見ても母親だった。
上手く言えないけど、娘の幸せを願える母親の優しい顔。
俺の母が亡くなったとき―――最後に話したときの母もこんな表情をしていた。
「三上さん、困ったことは何でも相談してください。もう一人、若い弁護士もおりますから。何か役に立てると思います。それから…これからもうちの事務所でツムちゃんをお預かりします。ツムちゃんは気が利いて料理も上手くて、欠かせない存在なんですよ」
「どうかよろしくお願いします」
ツムが母親を許せるのかは分からない。だけどそれを支えるのが俺の役目だ。