センセイの好きなもの



文房具店ではコピー用品やスティック糊、ボールペンのインクなども買って、それなりの荷物になってしまった。
コピー用紙がまた重たいんだ。

それから和菓子屋さんに寄って、大先生に頼まれていたお茶菓子を買った。
私たちのおやつ用にも買っていいと言われたので、みたらし団子と塩大福、それに羊羹も。

巧先生は子どもの頃からここのお団子が好きらしい。


両手に荷物を持って歩いていると、うっすら汗をかいてくる。
来るときは食器があったから歩いてきたけど、やっぱり自転車を押してくれば良かったかな。


そう後悔していたとき、後ろから車が近づいてくる音がして端に寄ると、車は私に横付けするように止まった。


「ツム、おつかいか?乗れよ」


助手席の窓が開いて巧先生の声がする。
巧先生はシートベルトを外して身を乗り出すと、助手席のドアを開けてくれた。

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