センセイの好きなもの
「いてててて…」


お尻をさすりながら体勢を直すと、青い寝袋が視界に飛び込んでくる。
のぞき込んでみると、その中にはすやすやと眠る巧センセイ…。

「わっ!」


ビックリして思わず声を出してしまうと、巧先生は体をよじって大きく伸びをしたあとそれに負けないくらい、(もしかしたらそれより大きいかも知れない)あくびをした。


「ふわぁぁぁーっ。…ん?ツムか」


巧先生は寝ぼけ眼のまま私を見て呟くと、再び目を閉じてしまう。


「巧先生!もう8時過ぎてますよ!起きてください。こんなところで寝られたら邪魔です。今だって寝袋踏んで転んじゃったんですからね」
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